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2006.01.13

その時歴史が動いた 近松門左衛門 曾根崎心中

『人間ドラマ誕生〜近松門左衛門 曾根崎心中〜』
放映 NHK総合 平成18年1月11日(水)
ゲスト 横内謙介さん(劇作家)

■人形浄瑠璃を愛する

近松門左衛門(江戸時代1653〜1724)、その名前から町民だと思っていたら出身は武家だったという。人形浄瑠璃という舞台とそれに熱心に見入る人々、自分ものめり込んでいって、自分も作家として書いてみたいと決心し武士の身分を捨てたのが始まり。
劇団に弟子入りして何年もかけて『曾根崎心中』という大当たり作品を出したときを「その時」として放送されました。
従来の台本に倣わずに庶民の視点とか新しい後日談とか斬新的な物語を執筆し、観客から大喝采を得たとかは、一応サクセスストーリとしては珍しくはない話ではあります。

一番印象に残ったのは、横内さんの門左衛門とシェイクスピアとの対比論。
シェイクスピアが世界的な戯曲作家であることは揺るぎないとしながらも、
門左衛門は同じ劇を愛する情熱のために身分を捨てゼロから出発し、お金を取る興行にて本当に庶民の支持を獲得して人形浄瑠璃を芸能の域まで高めたのはすばらしいこと、
シェイクスピアには貴族の庇護があったが、門左衛門は売れなければ廃業という商業的枠組みの中でヒットを生み出した力強さがある。
幕府御用絵師のような保護どころか、逆に心中ものが加熱して、劇を真似て心中する男女が続出したため上演禁止を幕府から命ぜられたぐらい。

横内さん自身が劇作家であるため、創作活動で食っていける作家の誕生は意義深いものがあるのだとか。
曾根崎心中を当てるまでは劇団は何年も赤字でピンチの運営だったが、この上演で一気に借金を返済できたという。
当時の観劇の料金は「糸繰り職人の日当と同じ」だったそうで、その職人がその日の稼ぎの全額を持ってまでして観劇に来る、それほどまでに魅力ある、貴族だけとか限定でなく広く庶民に受け入れられる舞台を作り上げること。それは現在の劇団と劇団員の夢と希望と同じことなんですね。
それにしても横内さん、『深夜劇場へようこそ』司会のときと違ってゲストの受け答えが真面目だ(笑)。

■それぞ辞世

著名人の辞世の句、門左衛門は"それぞ辞世"という言葉を残したという。
「もしも私の作品が今後百年など残っていたのであれば、それこそが私の辞世の句である」
そしてその作品はしっかり残ることとなりました。
世のこと人のこと自分のこと思うところのもの、それを改めて辞世の句にしたためなくても、作家の場合は自分の作品の中で強く言いたいことを訴えることができます。
そしてそれが広く多く共感を受けたならば何百年も語り継がれることに。
虎は皮を残し、近松門左衛門は名と作品を残したわけですね。


ATOK日本語試験30問、私は78点でした…勉強してないのでこんなものか。
http://www.atok.com/nihongotest/
こうも基礎学力がない場合、物書きするに厳しいところ。

私は何を残せるだろうか。
ここに書いている文章あたりはネットアーカイブの隅に記されるのだろうか。
それが何百年かあとで誰かが読んでくれたりするのだろうか。
ブログのブームを『これほど言葉を発した時代はない』と言われる今の時代に。

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