« マントル層まで掘り進む地球深部探査船『ちきゅう』完成 | トップページ | SNSブームと質量保存の法則 »

2007.10.01

緊急地震速報・新たな稲むらの火『ナウキャスト地震計』

(2011/8/11)
少なからず緊急地震速報は今年の地震の事前対応に役に立ったと思います。
神奈川に住んでますので、そこが震源地ってのは無く、静岡や千葉震源だとちゃんと事前に携帯電話に通知着ていました。
それをより精度を上げるためにロジックを変更して運用するそうです。小規模の群震を大規模地震と誤認しないようになったとか。
少しづつでも改善して行って、明日はさらに今日より良き日になりますように。

(2007/10/1 運用開始)
東京新聞:箱根の5強予測できず 緊急地震速報不安な船出
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2007100101000266.html
地震の初期微動をとらえ、大きな揺れの直前に予想震度を知らせる気象庁の「緊急地震速報」の一般市民への提供が1日午前9時スタートした。
 本運用開始直前の同日未明、神奈川県箱根町で震度5強を観測する地震があった。速報システムは作動したが、予想震度は「4程度以上」で、同庁が速報を発表する「震度5弱以上」の基準に届かず、地震発生が9時以降だったとしても市民には速報は伝えられなかったことになる。
 気象庁は「揺れが大きかった地域が局地的で、予測は難しかった」と釈明。運用初日に速報の技術的限界が浮き彫りになる不安な船出となった。

10月1日になったばかりの深夜に神奈川では数年ぶりの大きな地震が発生、予報開始迄の間隙を突くようなタイミングでした。
正式開始時間が9時だったので深夜2時の地震には対応できなかったわけですが、上の記事にあるように運用時間内でも緊急地震速報は出せなかったことに。
震度5レベルに達しないと放送しないのですね。試験運用では震度3とかで通知していたようなのに。日本自体は年間何千回も起きているのであまり頻繁に放送に出せないせいか。
http://www.hinet.bosai.go.jp/about_earthquake/sec1.2.htm
気象庁資料で「平均すると,我が国でM7以上の地震は年に1回,M6以上の地震は年に10回程度発生しており,M3以上の地震は毎日10個,M2以上の地震は毎日50個程度発生」

システムは速報性のため見込み規模を算出し、それが実際より低く判定されたら、今回のように検知はしていたが速報されない、だけど大地震、になるわけです。
今回ので計算4秒かかったそうです。これも時間のロスとはいえ、必要な地域に必要なだけをできるかぎり正確に送信しなければならない必要時間でもあります。
精密な結果を待っていたのでは遅いですし、乱発するのも良くないですし、難しいところです。
今回の箱根の件で、むしろ南関東に余震が見込まれ、早いうちに速報の威力が見られるかもしれない?まぁ関東の者には近すぎて効力薄いかもしれませんが忘れた頃に出されるよりは。


(2007/3/29)
能登地震が起きましたが、この時も例の「あと○秒で地震が来ます」の通報が成功していたそうです。

■asahi.com:気象庁、初の発生前予測 震源近くは揺れより後に 2007年03月26日09時59分
 www.asahi.com/national/update/0326/TKY200703260005.html

「マグニチュード7.0 石川県能登で震度5弱以上」。気象庁は地震発生と同時に「緊急地震速報」を出した。震源に近い輪島市などでは揺れが来た後だったが、震度6弱の能登町では大きな揺れが来る5秒前だった。
 今回、地震の揺れをいち早くキャッチできたのは、先行的に情報提供を受けている一部の機関に限られる。それでも9月をめどに、震度5弱以上の揺れが想定される場合に緊急地震速報を流す計画を進めている同庁が、大きな地震で情報を出したのは初めてだ。「震源のすぐ近くでは間に合わないが、早く出せる所には出して減災につなげたい」という。
 こうした予測を可能にしたのは、「ナウキャスト地震計」と呼ばれる新たなシステムだ。地震が発生するとP波(秒速約7キロ)と呼ばれる初期微動が届き、その後、大きな揺れをもたらすS波(同約4キロ)が到達する。震源に近い地震計でP波をとらえ、地震の規模や到達時間を予測できるようにした。
 同庁はこの地震計を全国220カ所に整備し、昨年10月から津波予報に活用できるように備えた。津波到達までの時間がない沿岸の地震に有効とされ、今回初めて成功した。
 新システムは、83年の日本海中部地震(死者・不明者104人)、93年の北海道南西沖地震(同230人)で、津波情報前に大津波が押し寄せ、大きな被害を出したことを教訓に整備された。
 今回、気象庁が最初の予測を出したのは、P波を検知してから3.6秒後。住民は、情報を受け取った場合にどうすればいいのか。身構えたり、ラジオで聞いたドライバーはハザードランプを出して後方車に注意を知らせたりすることは可能なのか。斎藤誠・即時地震情報調整官は「5秒あれば何ができるかを周知していきたい」と話す。

■ナウキャスト地震計がどのようなものかを動画で実際に見てみる↓

動画で見る緊急地震速報システム:ITpro
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20060510/237261/
(新潟中越地震のときに30秒前と表示できたときの様子)

去年から話題になっています地震予測速報、今年の秋に広く報道される計画です。地震が来る前に知らせることで少しでも被害を抑えるための施策がいよいよ開始となります。
(さっさと公開すればいいのですが、パニックになったらいかんとかなんとかで慎重らしい)
今はまだ一部機関への情報提供にとどまっていますが着実に実績を積んでいるようです。
震源地直下には間に合わないですが周辺地域には有意義でしょう。
「予測」と書かれていますが、正確には地震発生後に超速報で動き出すシステムです。地震予知でもありません。
今回予測を出したのは「3.6秒後」でした。これは遅いわけではなく、複数観測ポイントの相対的な観測結果で速度と広がり具合を見ないと、通報先に何秒後に着くかを言えないから。
点ではなく線の情報が必要なのです。とりあえず発生した事実は瞬時に把握できてる。

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20070329/266932/
こっちの記事で「気象庁の計算所要時間約4秒」とあり。図を見てよくわかるのは、震源地の発生をいったん東京で受けて計算して再び震源地で一番情報を欲しがっているところに届ける経路の長さ。そして最初の動機である津波防止のためなのに陸にセンサーが多いため海底発生では遅れをとる事。
しかし構造的に仕方がないのか。

日本では既に津波警報を出せる体制になっており、海外にノウハウを輸出できるくらいですが、気象庁ではもっともっと早く津波を予測、さらに陸上での伝播予測もしようとしています。
科学が自然に逆らうことは無理でも、人をより安全にしてくれる英知となることは頼もしいことです。

関連ログ:
2005.01.22 地震と津波と稲むらの火
2004.09.01 クローズアップ現代 高潮が町を飲み込んだ(1999年)

|

« マントル層まで掘り進む地球深部探査船『ちきゅう』完成 | トップページ | SNSブームと質量保存の法則 »

科学技術・宇宙」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/3180/14417476

この記事へのトラックバック一覧です: 緊急地震速報・新たな稲むらの火『ナウキャスト地震計』:

« マントル層まで掘り進む地球深部探査船『ちきゅう』完成 | トップページ | SNSブームと質量保存の法則 »