ドラクエ音楽すぎやまこういち先生『その時、私は』
インタビュードキュメント すぎやまこういち(作曲家)
【放送日時】 2012年2月11日(土)17:30~18:25
【再放送】 2012年2月25日(土)
今や国民的ゲームとなった「ドラゴンクエスト」。
その音楽を第一作から25年にわたり作曲しているすぎやまこういちさん(80)。すぎやまは1960年代から「亜麻色の髪の乙女」「シーサイド・バウンド」をはじめとするグループサウンズの大ヒット曲やCMソング、アニメソングなど数多くの曲を手がけるメロディ・メーカーとして活躍。
しかし、1986年、すぎやまは運命の出会いをする。「ドラゴンクエストⅠ」の作曲依頼を受けたのだ。
当時、ゲーム音楽をプロの作曲家が書くことはなかった。すぎやまはクラシックの素養があり、ゲームも大好きだったので、「中世の騎士の物語」と聞いた時に、すぐクラシック音楽に合うだろうと思った。ドリーム・チームが結成されたが、すぎやまに与えられた時間はわずかしかなかった。
すでに一流作曲家として知られていたすぎやまの「その時」の思いとは。
「作曲においてはクラシックの知識は関係ない、感性、感受性が大事。ゲームのプレイヤーはクリアするまで戦闘のシーンの音楽を千回ぐらい聴くから、聴き減りのしない音楽を心がけている。」と語るすぎやま。
発売25周年を迎えた「ドラクエ音楽」を作り続けるその思いとは。
たまたま視聴したのですが、おもしろいインタビューでした。
作曲のプロ、ゲーマーだとか評判は伺ってましたが、それらが本気本物だったと確認できたかと。
・幼い頃(戦中戦後)親が反物の物々交換でクラシックレコードを買ってきて、それを竹針蓄音機で聴いてクラシックに傾注
↑物資乏しい中でレコード(ソノシート)買うとは。しかも竹のレコード針は音良くないし擦り切れる
・音大を目指したが受験科目にピアノがありピアノを持ってなかったのであきらめて東大に入った
↑代わりに東大というのもすごい
・文化放送に就職し念願の音楽担当をした
・フジテレビ開局でこれからの音楽はテレビで見せる時代だと入社した
↑花形産業に入社できるとはすごい
・ザヒットパレードなどをプロデュースして多忙な日々、家に帰れないので局の駐車場のキャンピングバスで寝泊まり
・プロデュース業のかたわら、こっそり作曲もしていてCM音楽などてがけた。その収入が局給料の10倍
・曲が売れすぎて、ヒッパレにランキング入りするようになり、一位になったことも。一位にすると自作自演と思われるので逆に下げた。するとアーティストから文句言われる板挟み
・フジ社員で作曲すると、社員成果として著作権がフジに帰属してしまうので、フリー退社。その後は歌謡曲で大ヒット連発
・エニックスに『PC88森田の将棋』のゲームの感想を送ったら、会社の目に止まる。「あの作曲家先生が!」と驚かれる。これがドラクエⅠの馴れ初め
・ゲームのBGMは2トラック(3TRKのうち1チャンネルは効果音に取られた)だったが、それでも作曲できる自信があった
・ドラクエⅠの作曲猶予期間は1週間だった(マスタ直前での急遽の採用だったので)。それでも先生には「TV時代は一晩で作曲をやってきたので」と問題とならず
・ゲーム音楽の方向性は、歌謡曲でなく、クラシック。繰り返し何度も聴かれるので「聴き減りのしない音楽」を目指す。ベートベンなんか200年も聴かれている!
・作曲はデジタルで行なっている(インタビューの自室もキーボードやシーケンサーとかたくさん)
・ドラクエ交響曲では全年齢帯の人にコンサートにきてもらっている。これでクラシックも好きになってもらえれば
いやぁ、すごい先生でした。
貧乏なので、エリート教育でなく独学で身につけた作曲センス。
クラシックに通じていたからあのドラクエサウンドを作れたのですね。POPSも作れるし幅広い。
前例がないのに、2TRKで作曲、その後に「ゲーム音楽はこれだ!」と示したフロンティア精神。他のプロ作曲家は2トラックで表現できるわけないというのもわかりますし、そんな中で飛び込むとは。
Ⅰの一週間納期のとき、有名なメインテーマ「序曲」は5分で書いたという。
短いように見えるが、長くうだうだやってもいいものにはならないとか。
それに、先生の場合は、今までの55歳+5分 の時間を持ってして生み出しているのなら納得のアウトプットか。
ドラクエが今度で第10章となる。それを成せたら、ベートーベンの第九章を越えられることになる。
クラシック&オーケストラの(ドラクエ)楽曲をこれからも先生は演じる気まんまんでした。
80歳にしてまだまだ意気盛ん。これからも楽しませて下さい。
番組で、生演奏ドラクエ交響曲を聴きましたが、すばらしかったです。
逆にこれを3トラックに詰め込んでいたわけですね。
(OPやED曲ではSE効果音が無いので3トラック使えた)
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