すばる望遠鏡スペック
(2005/11/6日経)
下の9月のニュースでガンマ線バーストを観測した東工大河合教授は、このとき『すばる使用権カード』を行使したそうです(そのときは国立天文台の山田助教授が利用最中だった)。
この権利は研究者に年2回とか割り当ててあり、本来の観測を中断して割り込みできる権利だそうです。
これで(バースト観測のスイフト衛星により)発見されてすぐに消えてしまうバーストを観測して結果として大発見につながったとか。
おもしろい仕組みです。
記事では地上望遠鏡の大型化の計画もあり。
国立天文台=10年後目標で口径30mの継ぎ接ぎ型鏡の建設
欧州南天天文台=口径100mの建設を計画中
(2005/9/12発表)
すばる、宇宙最遠の巨大爆発をとらえる
"すばるGRBチーム"は、宇宙の最も遠方で発生した巨大爆発現象の距離を測ることに成功しました。この爆発現象はガンマ線バーストと呼ばれ、大質量星が崩壊してブラックホールが作られるときに発生すると考えられています。9月4日に発生したガンマ線バーストを観測した結果、距離は 128億光年と、今までの記録(123億光年)を大幅に破る最遠の爆発であることが明らかになりました。この距離は人類がこれまでに発見した最も遠い天体(幼少期の銀河)の記録に迫るものです。
subarutelescope.org/Pressrelease/j_index_2005
探査機はやぶさが小惑星イトカワに接近した今週、すばる望遠鏡でもいろいろニュースが。
先日に降着円盤の発見をしたところですが、
(すばる本家より北海道新聞の写真が綺麗かも)
www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20050901
13日のニュースでは、最も遠いGRB(ガンマーレイバースト)の観測に成功だとか。宇宙誕生からまだ8〜9億年しか経ってない宇宙でもう消える星があるとは。こういう遠方で昔のGRBを観測すれば宇宙誕生当時はどれくらいの星があったのかを推定できるようになるわけです。
巨星のほうが寿命が短いとはいえ、こういう恒星系では30億年とか生き続ける生命なんてありえません。
本当に太陽系に生まれてきて良かった(笑)。
(2005/7/8)
いろいろよくまぁアイデアを出すものです…。
「理化学研究所、すばる望遠鏡の解像度を5倍向上させるレーザー」
www.riken.go.jp/r-world/info/release/press/2005/050706
すばるはマウナケア山頂上なので、地球上で最もシーイングがよいと言われていますが、
ハッブル宇宙望遠鏡と比べるとやはり空気のゆらぎがあり、星の輝きがまたたいてしまいます。
それを補正する装置があり、ヘッドホンのノイズキャンセラのようにゆらぎを高速演算し打ち消す制御をしていました。
ところが、この補正にあたり、ガイド星という観測目標の近くに明るい天体があることが必要で、それの瞬きを観測して補正演算していたため、周りにガイド星がない領域では実はこの補正機能は十分に機能してないとか。
そこで考え出されたのは、人工的にガイド星を生成すること。
レーザー光を空気に照射して空気が光る様子をガイドにするというアイデア。
地球には高度100kmにナトリウムの層があり、ナトリウムと波長の合うレーザーを当てるとオレンジに輝く(ナトリウムランプも橙)性質を利用。
これでどこにでもガイドとなる人工的な星そっくりの光を生成させることで補正機能を十分に発揮させることができるという。
リンク先のプレスリリースでは実験での照射の様子もみられます。新聞ではモノクロでしたが、こっちは鮮やかなオレンジの一直線が虚空へ飛んでいく写真あり。
確かに空気のゆらぎの様子を見るには空気を光らせるのが手っ取り早い。
しかし今まではガイド星が無い場合は本来の力を発揮できておらず(運良くガイドが近くにある確率は2%しかない)、今回の5倍性能も「本来の性能」とも言えるわけですね。
ガイド星生成用レーザースペック:
・機能高度100km上空に光点を発生させる
・ナトリウムに反応するよう二種類(Nd(ネオジウム)&YAG(ヤグ))の
レーザー光をブレンド(合成で589nm波長)
・直径50cm、長さ5kmの円筒状領域をレーザー光が通過するとき、
その部分のナトリウム層が光る。
(望遠鏡から星のようにみえる)
・補償光学無し時近赤外線解像度=0.4秒角
これが補正があれば約5倍の0.07秒角に向上。
(ハッブルの約3倍相当)
・ガイド星だけでなく、補正の仕組みも強化研究中。
現在の補償光学装置は制御素子数36を装備。
それを新たに素子数188の装置を開発する。
・2005/7/6に理化学研究所にて実演デモを実施。
今年度中にハワイに機器を設置し来年度に実験観測を予定
(2004/10/14)
新聞に三菱電機の技術広告ですばるが取り上げられていたのでメモ。
場所:ハワイ Mt.Mauna Kea(マウナ・ケアと分かれるのですね)
高さ:22.2m
最大幅:27.2m
鏡面直径:8.2m(1枚鏡では世界最大)
鏡面表面凹凸:0.05ミクロン(関東平野の広さで新聞紙1枚厚さ以下の凹凸しかない)
主鏡重量:23トン
主鏡支えるアクチュエイター:本数261
アクチュエイターの反応要素:傾き姿勢変化、温度変化
アクチュエイター反応精度:0.1秒単位、0.01ミクロン単位
鏡だけでなく望遠鏡支える追尾モーターも三菱電機製。
追尾精度:7/100秒角(1秒=1/360度)
富士山頂を転がるゴルフボールの中心を、東京から正確に追尾できる精度
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