長崎:さだまさし『がんばらんば』
2006年5月期に『みんなのうた』で放送されている1曲、『がんばらんば』。
なかなかのヒット曲になっているらしい?さださんのラップというのも珍しいが、ラップが英語でなくて長崎弁というのが珍しくておもしろい。
そんな曲の人気を、さだまさしさんをお招きして先日5月11日の『スタジオパークからこんにちは』で放送していました。
そこで明らかになったのは…、
さださんのプロフィール:
これはファンには今更なところですが、バイオリンが上手であることと、グレープ結成と大ヒット曲『精霊流し(しょうろうながし)』、そして今でも精力的にコンサートを開催(平均すると3日に1回のハイペース)しているお方。
放送では紹介されてませんが、小説『精霊流し』とかの文才、ラジオパーソナリティでの絶妙な語り口でファンが大勢いることもポイント。
今回のインタビューではこの年齢だとなかなか…と謙遜するシーンも多かったですが、これも諦めではなく逆にアンチエイジングな意気込みを感じたのは私だけでしょうか。
でも無理して頑張っているというふうでもない、そこが好かれる要因でしょう。
さださんの音楽人生に影響を与えた"男達"
サイモン&ガーファンクル=ギターに魅せられたきっかけ。バイオリンは単旋律な主旋律「メロディー」向けだがギターはバックとしてじゃら~んとできる「サウンド」が奏でられる対極の楽器だと気付いた。
加山雄三さん=さださんは加山さんのは歌詞見ないで歌えるくらいに好き。自分の曲は無理。なぜなら加山さんの曲を好きでずっと繰り返し聞いてきているから覚えている。
吉田政美さん=さださん曰く、久しぶりにグレープ結成したが(別名:レーズン(笑))、久しぶりに弾いたのに彼のギターは相変わらず、いやむしろ今まで以上に上手かったとか。自分は音楽活動でずっと弾いていたにもかかわらず。そうした才能と時間の積み重ねには叶わない。あと、じゃんけんでも吉田さんに全然勝てないとか(笑)
人気となったグレープだが結成時にNHKにオーディション受けたが(当時は合格しないとTV出演できなかった)、NHKに落とされてしまった。それくらいグレープは下手だった!?
『がんばらんば』の経緯:
制作のために部屋にこもって長時間思考していると、今書いている"厳しい"歌詞とは全然違うベクトルの発想がふっと出てくる。そんな中で生まれた曲。
ところがいざアルバムに含めようとするとどうしても他の曲と違いすぎていることを感じた。
この曲の扱いをどうしたものか困っていたときに『みんなのうた』に拾っていただいた。
なぜラップで長崎弁なのか?それはさださんが英語ができなかったから、それだけ。もしロシア語できていたならそっちになっていたかも?そんなくらいの理由。
さださんも登場している長崎ロケな実写版、あれは2006年1月ぐらいの寒い時期に撮影されたもの。
『がんばらんば』の意味:
がんばらんば=長崎弁で頑張らなくっちゃ
長崎弁を判らなくてもいい歌詞を理解しなくてもいい。雰囲気を感じてもらえれば。
(英語ラップがそもそもそういうものでしょう)
相変わらずの楽しいトークのさださんが見られてよかったです。やはりおもしろい人です。
そして笑ってみせるものの、その裏には、さださんやその家族の波乱万丈な人生があったことを、本や今回のトークでも語られています。
今回はおばあちゃんの思い出話は特に印象的でした。
今回の『がんばらんば』ですが、そのまま読めば頑張れよ、という応援歌ですが、
私にはラップの中にある、
待っとんけん いつでんよか でてこんばぞ
こういうところが本髄ではないかと思っています。無理するなよ、いつでもいいから出てくる気になったらでいいからな、という意味。
私は長崎出身ですが方言を話さないし長崎にも住んでいませんが、今回の歌詞がすっと入ってくる感じはやはり長崎人なのだと再認識できました。
特にラップの部分は先に書いたように、すごくいたわって思いやっている優しい言葉掛けなんです。
こういう言葉を長崎のおばあちゃんが言ったら効果絶大でしょう<何の(笑)。
といいますか、私のおばあちゃんもこういうふうに言っていました…
私には「頑張れよ」という言葉は「ちゃんとやれよ」と同じくらいにあまり好きでない言葉です。
応援しているようで、具体的アドバイスに欠けており、ある意味無理強いさせている圧迫感もあります。
逆にスポーツ選手がインタビューマイクに向かって抱負を「頑張ります」しか言わないのも。
例えるなら「大売出し」を多用しすぎて今となっては通常売り出しよりすごいという言葉の力が失われてしまっているような感じが「頑張る」にもあるように感じます。
だけど、頑張れとうるさい主張でないこの曲は私に染み入るものとなっています。
あと、歌詞の中にある『でんでらりゅう』はさすがの長崎人にも理解難しいと思います(笑)。
今どきここまで訛っているのを聞きません(^^;
でも「こられられんけん こーん、こん」とかは「来られないから もう来ないよー、来ないからね!」
って意味です。こう言い直せば判るのではないでしょうか。
考えてみれば、長崎弁は攻撃的とか強調系のよりも穏健なものが多い印象が。
場を落ち着かせるため…「ばってん」「そげんいわんでも」「よかたい」
物事を回避するのに…「せからしか」「せんでよか」
異国情緒とかチャンポンという名でいろいろ混在している土地柄なので敵対よりは寛容的かも(いいわけがましいかも(笑))。『なんでんかんでんよかよか~』の精神。
参考:さだまさし最新シングル・がんばらんばについて|木下恒輝のきまぐれブログA

長崎過去ログ:
2004.08長崎の平和祈念の日
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